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2011年07月31日 (日) | Edit |
1年の折り返しの最初の1か月も、もう終わりだ。
60年以上生きてきた中で、東日本大震災という一番大きな出来事があった年だというのに、時の経つのが早く感じるのはどういうわけだろうか。
退職して、時間に追われながらの生活から解放されて、本来ならゆったりした時間の中で暮らしていくものと思っていたのに、人との関係の切り結びが少なくなって、日常生活にも変化がなくなった分、中身の薄い生き方となりそれが時間を短く感じさせる要因になっているのかもしれない。
だからといって、あえて今の暮らし方を変えようなどとは思わないが・・・。
そんな中で今日は久し振りに、いつもと違う体験をしてきた。
東御市文化会館開館20周年記念事業の一つとして企画された美術展と映画鑑賞会、それに先立つ対談が午後1時から文化会館で開催されたので、それに行ってきた。
美術展の方は、「山岳に焦がれた男たち展」と銘打って、文化会館に併設されている東御市出身の丸山晩霞などの作品を常設している丸山晩霞記念館で行われている。
晩霞も創設に加わったという日本山岳画協会の設立75周年記念誌を発行する際に協力したのが縁で、同協会の支援を受けて、明治から昭和にかけて活躍した山岳画家の作品を一堂に集めたもので、よくこれだけのものを展示できたな、と感心した。
この美術展は今日から9月4日まで開催されている。
映画鑑賞の前に、山岳写真家として有名な白籏史朗氏、日本山岳画協会の代表幹事で山岳画家の武井清氏、そして多数の山岳ドキュメンタリーを制作してきた映像作家の羽田栄治氏の3人の対談が1時間半あった。
白籏史朗さんは、多数の写真集を出しているし、「山と渓谷」では常連の写真家なので、名前は知っていた。
ほかの二人は知らなかったが、羽田さんは映画「劒岳」の制作の際には、時代考証で参加したという。
また、武井さんは山岳画協会の代表幹事ということで、おそらく今回の美術展の作品の蒐集には尽力されたのだろう。
対談の中の話の様子では、有名な3人の対談がセットされたのもこの人の人脈だったようだ。
東御市文化会館で行われた対談「山岳の男たち」
映画鑑賞のほうは、2年前に劇場公開された新田次郎原作「劒岳-点の記」だった。
封切後しばらく話題になったのを記憶している。
35ミリの映画を見るのは、久し振りだ。最後に見たのはもう思い出せないぐらい前だ。
長野県に越してきてからは間違いなく初めてだ。
映像も音響も家のテレビやビデオで見るのとは違って迫力がある。
特に山中の猛烈なブリザードの実写は、劇場で見てなんぼのもの、という印象だった。
また対談のなかで、白籏さんがデジタルカメラとフィルムカメラの写真の違いを力説していた。
もちろんフィルム写真にすぐるものはない、という意見だったが・・・。
たまたま隣の席に写真教室で一緒にやっているKさんが座っていて、思わず顔を見合わせてしまった。
二人ともデジタルカメラ派だ。
映画の上映時間は2時間15分とたっぷり見応えがあった。
東御市もいい仕事をするじゃないか、と少し評価が上がった。